松野 丈夫
- Jobu Matsuno
- 〒560-0043
大阪府豊中市待兼山町1-1 - 大阪大学大学院理学研究科物理学専攻
- E-mail:
略歴
1996年03月 | 東京大学理学部物理学科 卒業 |
1998年04月 | 日本学術振興会 特別研究員—DC1( –2001年3月) |
2001年03月 | 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 博士課程修了 博士(理学)取得 |
2001年04月 | アトムテクノロジー研究体 十倉研究グループ リサーチサイエンティスト |
2002年04月 | 産業技術総合研究所 強相関電子技術研究センター(CERC) 産総研特別研究員 (強相関超構造チーム) |
2004年04月 | 科学技術振興機構 創造科学技術推進事業(ERATO) 十倉スピン超構造プロジェクト 研究員 (超構造作製グループ) |
2005年11月 | 理化学研究所 高木磁性研究室 研究員 |
2008年04月 | 理化学研究所 高木磁性研究室 専任研究員 |
2011年07月 –09月 |
マックスプランク固体研究所(シュツットガルト)客員研究員 (Prof. Jochen Mannhart) |
2013年01月 | 理化学研究所 石橋極微デバイス工学研究室 専任研究員 |
2013年04月 | 理化学研究所 創発物性科学研究センター(CEMS) 量子効果デバイス研究チーム 専任研究員(兼務) |
2013年05月 | 理化学研究所 創発物性科学研究センター(CEMS) 強相関界面研究グループ 専任研究員(兼務) |
2015年12月 | 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 さきがけ「微小エネルギーを利用した革新的な環境発電技術の創出」領域 研究者(兼任、–2019年03月) |
2018年04月– | 大阪大学 大学院理学研究科 物理学専攻 教授(現職) |
研究分野
物性物理学:パルスレーザ堆積法(PLD)による強相関電子系酸化物の薄膜、超構造、界面作製とその物性
シンクロトロン放射光を利用した強相関電子系物質の電子状態・構造
学会活動
日本物理学会 会員応用物理学会 会員
応用物理学会 APEX / JJAP 編集委員(2021年4月– )
応用物理学会 機能性酸化物研究会 幹事(2017年3月– )
科学技術振興機構・さきがけ「物質と情報の量子協奏」領域 アドバイザー
日本学術振興会 先端ナノデバイス・材料テクノロジー第151委員会 委員(2016年4月–2021年3月)
酸化物研究の新機軸に向けた学際討論会 世話人
Local organizing committee, 10th Japan-Korea-Taiwan Symposium on Strongly Correlated Electron Systems
Organizer, CEMS Topical Meeting on Oxide Interfaces 2015
Organizer, 8th Indo-Japan Seminar “Designing Emergent Materials”(日本学術振興会・二国間交流事業として採択)
Symposium Organizer, Symposium QN07, 2019 MRS Spring Meeting
Organization Committee, 26th International Workshop on Oxide Electronics (iWOE26)
研究業績
1996.4–2001.3:金属絶縁体転移を示す強相関電子系物質(鉄ペロブスカイト酸化物など)に光電子分光法を用いその電子構造を明らかにした。実験室系における光電子分光の他、放射光を活用した各種スペクトロスコピー、第一原理計算を含む酸化物の電子構造計算を行った。
2001.3:学位論文「電荷密度の変調を示す遷移金属化合物の光電子分光」(博士(理学)、東京大学)
2001.4–2005.10:パルスレーザ堆積法によりK2NiF4型の結晶構造を持つ新物質の単結晶薄膜を合成し、二次元強磁性金属Sr2CoO4、金属絶縁体転移を示すSr2-xLaxVO4などを発見した。
2005.11– :パルスレーザ堆積法による強相関電子系物質の新物質開拓、およびシンクロトロン放射光を用いた局所構造解析を行っている。近年は特にスピン・軌道相互作用と電子相関が競合するイリジウム酸化物薄膜の研究を行い、新たなトポロジカル絶縁体の実現に取り組んでいる。
既発表論文はNat. Phys.誌1篇、Nat. Commun.誌2篇、Sci. Adv.誌1篇、Phys. Rev. Lett.誌5篇、Appl. Phys. Lett.誌9篇、APL Materials誌3篇、Phys. Rev. B誌18篇、Phys. Rev. Appl.誌1篇、Appl. Phys. Express誌1篇、Jpn. J. Appl. Phys.誌1篇、J. Phys. Soc. Jpn.誌2篇他を含む。
外部資金
- 科学研究費補助金・学術変革領域研究(A)「アシンメトリが彩る量子物質の可視化・設計・創出」公募研究,FY2024–2025
原子レベルで制御された空間アシンメトリに起因する磁気相互作用
研究代表者,4,200千円 - 科学研究費補助金・新学術領域研究「量子液晶の物性科学」公募研究,FY2022–2023
界面に誘起されるトポロジカル磁気構造の微視的機構解明
研究代表者,4,400千円 - 科学研究費補助金・新学術領域研究「量子液晶の物性科学」公募研究,FY2020–2021
トポロジカル磁気構造に基づく量子液晶を具現する薄膜物質開発
研究代表者,4,700千円 - 科学研究費補助金・基盤研究(A),FY2020–2022
硫化サマリウムSmSの価数揺動と体積機能
研究分担者 (研究代表者:竹中 康司) - JST戦略的創造研究推進事業「CREST」・「最先端光科学技術を駆使した革新的基盤技術の創成」領域,FY2019–2024
キャリアエンベロープ位相制御による対称性の破れと光機能発現
主たる共同研究者(研究代表者:岩井 伸一郎) - 科学研究費補助金・基盤研究(B),FY2017–2020
スピン-軌道相互作用を用いた強相関界面制御
研究代表者,13,900千円 - JST戦略的創造研究推進事業「さきがけ」・「微小エネルギーを利用した革新的な環境発電技術の創出」領域,
FY2015–2018
5d電子系酸化物のスピン流誘起熱電変換
研究代表者 - 科学研究費補助金・新学術領域研究「対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象」公募研究,FY2013–2014
超格子バンドエンジニアリングによるトポロジカル絶縁体の実現
研究代表者,3,900千円 - 科学研究費補助金・新学術領域研究「対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象」公募研究,FY2011–2012
イリジウム酸化物薄膜を舞台としたトポロジカル絶縁体の物質開発
研究代表者,4,600千円 - 科学研究費補助金・基盤研究(B),FY2010–2012
スピンホール効果を用いた5d電子系酸化物におけるスピン・軌道相互作用の学理構築
研究代表者 (研究分担者:福間 康裕,連携研究者:藤原 宏平),14,900千円 - 科学研究費補助金・若手研究(B),FY2007–2008
エピタキシャル安定化を用いた強相関単結晶薄膜の開発と物性評価
研究代表者,3,300千円 - 科学研究費補助金・基盤研究(S),FY2007–2011
遷移金属酸化物の電界誘起相変化
研究分担者→連携研究者 (研究代表者:高木 英典) - 科学研究費補助金・特別研究員奨励費,FY1998–2000
電荷整列により金属-絶縁体転移を示す遷移金属化合物の光電子分光
研究代表者,2,700千円
業績リスト
[論文]
[解説]
- 上田 浩平、松野 丈夫
「5d遷移金属酸化物におけるスピントロニクス機能の開拓」
材料 73, 447-452 (2024). - 松野 丈夫
「5d電子系酸化物のスピン流誘起熱電変換」
「次世代熱電変換材料・モジュールの開発」, 62-69 (2020).(シーエムシー出版、編纂:日本熱電学会)(執筆分担) - 松野 丈夫
「強いスピン - 軌道相互作用を持つ酸化物界面」
生産と技術 71, 53-58 (2019). - 松野 丈夫,川﨑雅司
「スピンの実空間トポロジーが生む新たな輸送現象:トポロジカルホール効果」
パリティ 33, 32-33 (2018). - 松野 丈夫
「5d電子系酸化物界面におけるスピン依存伝導」
表面科学 38, 614-619 (2017). - 松野 丈夫,十倉 好紀,川崎 雅司
「層状ペロフスカイト酸化物Sr2MO4 (M = Ti, V, Cr, Mn, Co)の薄膜合成と物性」
固体物理 40, 57-63 (2005).
[特許]
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出願番号:特願2014-240225(2014.11.27出願)
発明の名称:磁気素子、スキルミオンメモリ、スキルミオンメモリ搭載固体電子デバイス、データ記録装置、データ処理装置及び通信装置
発明者:中村 優男, 松野 丈夫, 川﨑 雅司, 十倉 好紀, 金子 良夫
出願人:独立行政法人理化学研究所
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国際公開番号:WO2016/084683(2016.6.2公開)
国際出願番号:PCT/JP2015/082466(2015.11.18出願)
Title: MAGNETIC ELEMENT, SKYRMION MEMORY, SOLID-STATE ELECTRONIC DEVICE HAVING SKYRMION MEMORY INSTALLED, DATA RECORDING DEVICE, DATA PROCESSING DEVICE, AND COMMUNICATION DEVICE
Inventors: NAKAMURA Masao, MATSUNO Jobu, KAWASAKI Masashi, TOKURA Yoshinori, KANEKO Yoshio
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特許番号:特許第5935258号(2016.5.20登録)
公開番号:特開2013-032244(2013.2.14公開)
出願番号:特願2011-169255(2011.8.2出願)
発明の名称:熱膨張制御金属複合材料およびその製造方法
発明者:竹中 康司, 濱田 大輔, 松野 丈夫, 高木 英典
出願人:独立行政法人理化学研究所, 国立大学法人名古屋大学
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国際公開番号:WO2013/018823(2013.2.7公開)
国際出願番号:PCT/JP2012/069570(2012.8.1出願)
Title: METAL COMPOSITE MATERIAL WITH CONTROLLED THERMAL EXPANSION AND MANUFACTURING PROCESS THEREFOR
Inventors: TAKENAKA Koshi, HAMADA Taisuke, MATSUNO Jobu, TAKAGI Hidenori
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特許番号:特許第5590488号(2014.8.8登録)
公開番号:特開2012-049403(2012.3.8公開)
出願番号:特願2010-191414(2010.8.27出願)
発明の名称:電流-スピン流変換素子
発明者:藤原 宏平,福間 康裕,松野 丈夫,大谷 義近,高木 英典
出願人:独立行政法人理化学研究所
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US特許番号:US-9400316-B2(2016.7.26登録)
国際公開番号:WO2012/026168(2012.3.1公開)
国際出願番号:PCT/JP2011/061752(2011.5.23出願)
Title: ELECTRIC CURRENT-SPIN CURRENT CONVERSION ELEMENT
Inventors: FUJIWARA Kohei, FUKUMA Yasuhiro, MATSUNO Jobu, OTANI Yoshichika, TAKAGI Hidenori
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特許番号:特許第5435705号(2013.12.20登録)
公開番号:特開2010-228945(2010.10.14公開)
出願番号:特願2009-076312(2009.3.26出願)
発明の名称:樹脂―セラミックス複合材料およびその製造方法
発明者:原田 保, 石井 守, 渡邉 雅幸, 竹中 康司, 松野 丈夫, 高木 英典
出願人:太平洋セメント株式会社, 独立行政法人理化学研究所
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特許番号:特許第5435704号(2013.12.20登録)
公開番号:特開2010-228944(2010.10.14公開)
出願番号:特願2009-076311(2009.3.26出願)
発明の名称:樹脂―セラミックス複合材料およびその製造方法
発明者:原田 保, 石井 守, 渡邉 雅幸, 竹中 康司, 松野 丈夫, 高木 英典
出願人:太平洋セメント株式会社, 独立行政法人理化学研究所
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公開番号:特開2010-229225(2010.10.14公開)
出願番号:特願2009-076310(2009.3.26出願)
発明の名称:樹脂―セラミックス複合材料およびその製造方法
発明者:原田 保, 石井 守, 渡邉 雅幸, 竹中 康司, 松野 丈夫, 高木 英典
出願人:太平洋セメント株式会社, 独立行政法人理化学研究所
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特許番号:特許第4122432号(2008.5.16登録)
公開番号:特開2005-054222(2005.3.3公開)
出願番号:特願2003-284881(2003.8.1出願)
発明の名称:層構造コバルト酸化物系薄膜とその製造方法
発明者:松野 丈夫, 川崎 雅司, 十倉 好紀
出願人:独立行政法人産業技術総合研究所
[プレスリリース]
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理化学研究所プレスリリース(2018.1.15)
酸化物界面におけるスキルミオンの電界制御
論文リスト[46]参照 -
理化学研究所プレスリリース(2016.7.9)
酸化物界面を用いたスキルミオン制御
論文リスト[41]参照 -
理化学研究所プレスリリース(2015.6.16)
新しい物質を実現するイリジウム酸化物の性質を解明
論文リスト[38]参照 -
理化学研究所プレスリリース(2013.12.11)
スピン流を高感度に検出する酸化物材料
論文リスト[36]参照